ご無沙汰してます。
被災された方々に、お見舞い申し上げます。
こういう時どういう事を書いて良いのか分からないという自分は
まだまだ大人になれないな、と思う。
失礼な事を書いてしまっていたらすみません。



久しぶりにこうして日記を書いてるけど
気がついたらもう二週間経っていた事に驚く。
歳取ると月日が巡るスピードが加速するという体感を踏まえても
人生の中で最速の二週間だった気がする。




11日は、前夜から眠れないでそのまま徹夜していて、
荒れてもうどうしようもなくなった手を診て貰おうと
朝イチで近所の皮膚科へ行った。
左手のてのひらが大変な事になっていて、
診てくれた女医さんも薬局の調剤師さんもびっくりだったので
「強い薬ですから顔に付かないようにしてくださいね」
と言われる程強力な軟膏を出してもらった。
(おかげで手のひらはほぼ治った。薬ってすごい。)




それから買い出しに行こうと電車で隣町へ出かけてあちこちに寄って、
必要な物も買えたし、うちに帰ってのんびりしようと思いながら電車で帰った。
駅に着いたのが14時半前後だったと思う。
それから徒歩で家へと歩いて、
二階の自宅へ続くアパートの階段を登ろうとしたとき、あれ?と思った。
揺れてる?地震
立って歩いてる時なら、小さい程度の地震なんてほとんどわからない。
揺れに気付いたのは、まず階段の上のトタン屋根が軋んでいたからだ。
え、何か結構揺れてない?、と思ってその場に立ち止まった。



手すりをつかんだら、どんどん揺れが強くなっていく。
私の家の辺りは栃木北部で、
地震は多いけど、せいぜい強くても震度4くらい。
それさえもとっくに慣れっこになってしまっていたはずなのに、
え、え、と思う間に体感したことない強さになった。
振り向くと向かいの家のおばあちゃんが、
パイプで屋根が組まれた庭の自家菜園の中で、
パイプの柱につかまってじっとしながら同じく揺られている。
そのパイプの柱がゆさゆさと軋んでる。
私の目の前では隣の一軒家がぐらぐらと
外壁と屋根が歪んでずれそうになるほど揺れている。
なんだこれなんだこれ、やばいんじゃない? 家とか、崩れるんじゃないか?と思いながら手すりに掴まって、おさまるのをじっと待った。



強い揺れは小さくなったけど揺れそのものはいつまでも止まらない。
家には足腰が弱くなり機敏に動けない母が独りで居る。
何か家具や棚が倒れたり、母が転倒してるのではと思って慌てて駆け上がって家に戻った。
玄関を開けるとこたつに座っている母が見えた。
幸い食器類もマグカップが一個目の前の床に転がってただけだった。
まだ揺れている。
ただいま、大丈夫だった?と言うと母は私のCDの棚を指して、CDが倒れちゃったよ、と答えた。
棚ごとではなく元々崩れやすい積み方をしていたCDが落ちただけだった。
部屋の中も崩れやすい置き方をしてたものが落ちただけで、
他にたいした被害は無かった。




テレビは既にニュースに切り替わっていた。
宮城が震度7
やっぱり宮城か…と思った。
余震もいつにも増して強く、落ち着かない。
この辺は震度5強だったようだ。
自宅周辺はとりあえずどこも目立った被害は無かったらしい。
近隣に多いブロック塀も見る限りではどこも無事だった。
近くの消防から、出動していくようなサイレンも聞こえなかった。
続けて茨城にも被害が出る強い地震があったけど、
それがいつの揺れだったか思い出せない。
何度も強く揺れる余震が続いて、座ろうにも落ち着けなくて、
ツイッターで時折TLの状況を見ながら、
つっ立ったままでずっとニュースを見ていた。



妹と父から電話が来た。互いの無事を確認。
妹の店は陳列していたDVDディスクが落下しただけだったよ、と言っていた。
この辺は地盤的にあまり揺れない方なのかもしれない(後に発表されてた地域データでもそうっぽかった)。
県内でも周辺の市町や県東は被害が出ていたようだ。
私が住んでいる市はなぜか、ほぼ全くと言っていいほど被害が無かったようだけど、
それは本当にただの偶然にすぎなかったんだと思う。
いつ緊急速報が鳴ってどこがどうなるかわからない。
とにかく情報を得ていないと不安で
テレビとTLをずっと見ていた。


母の携帯は速報が鳴るのに
自分の携帯は受信する設定になっていないことに今更気がついて直した。
鳴ってみないと気付かないものだと思う。
鳴るような地震が来ないのが1番なのだけども。




私のTLには、何人か被災地域の方が居る。
その中でも私がツイッターやブログを始める前から知っている人が居て、
地震以後その人の消息が分からなくなっていた。
お互い知って7、8年は経つと思うのだけど、
思えば私はその人の本名も直接の連絡先も知らなかった。
どうやっても消息を確かめるすべがない。
それに気付いて愕然とした。
ツイッターやネットのどこかでその人が発言しない限りは何も分からない。
実際その人に限ったことではないし、
多分こういう事は他の人達の間でも結構あったと思う。
数日後、その人は無事だったとツイッターで知った。他のフォロワーの人達も。





それから二週間、未だ混沌としている。
テレビが嫌いになった。
だからといってネットの情報を鵜呑みにするわけでもないし、
自分で調べ自分自身で考えることの大切さもより必要になった気がする。
ツイッターでたくさん流れてくる知らない人の言葉を見て少し疲れたり、納得したり。
疑うも信じるも選びきれないほどの色んな情報、色んな心情、思惑、データが河のように流れてくる。
デマが流れ、訂正が流れ、被災した人の声やテレビで報道されない被災地域の人の声が流れ、報道側の人の声が流れ、不謹慎だ/いやそんなことないという問答も、原発や停電にまつわる議論も感情論も混在している。
私のTLの人は落ち着いている人が多くて、TLを見ていると少し落ち着ける。




TLには音楽をやる人、音楽に関わる人、音楽を好きな人が多いので、
その人達の言動やそれに対する反応も色々と眺めていた。
こんなに音楽の価値や存在意義を問われる機会もそうは無いだろう。
停電の事情もあってライブ開催にも色んな人達が悩んでいるみたいで。
この状況で盛り上がる気持ちにもなれない、というのも分かるし。
それでもアンプラグドでもライブをやる、という人達の気持ちも否定したくない。
「音楽なんて直接衣食住になるものでもない、贅沢商売だろう。今必要ではない」「こんな時に不謹慎だ」というきつい論調も見かけた。


そんな中、ustで渋谷クアトロでのアンプラグドライブを観た。
ピアノ・ドラム・管・弦・声のライブを観ていて、
音楽はそれでもきっと続いていける、と思った。
だって電気がなくたってこんなに豊かな音楽を鳴らせるんだから。
私が生まれるずっとずっと前からいままで、絶えず続いてきた文化なのだから。
そう思えるくらい素晴らしいライブだった。



人には衣食住が必要だけど、
人を人たらしめるものは心で、
音楽はその心をたすけてくれるもののひとつだと思っている。
今すぐには必要でなかったとしても、
いつか音楽がまた、必要とされる日が来ると思っている。




そういえば募金や支援にかこつけて悪事を働く輩もいるみたいで、
火事場泥棒ってほんとにいるんだな…と暗い気持ちになる。
でもミュージシャンやアーティストの人達(以外の人達も)が
何か出来ないかと悩んだり動いたりしているのを
ひとくくりに偽善だ売名だと決めつける風潮が存在するのは悲しいな。
そういう反応ばかりでないとも、
また残念ながらそれらが善意に満ちた活動ばかりではないであろうとも思ってはいるけれど。




まつき君が震災後いち速く曲をアップしていて、
ナタリーで付けられた見出しも相まって炎上してしまっていた。
不謹慎だ!と真面目に怒ってる人もいたけど
不謹慎祭りに乗って思うままにやりたい放題中傷している感じの人が多いのが腹が立って
思わず自分もコメント書き込んでしまった。
いつもネット引きこもり野郎な私が…。
擁護意見=自演だ自演だとしつこい人が居たので
前のはてなid使って書いてみたけど
火に油注いでしまったかもしれない。ごめんよまつき君。
そしてファンですと前置きして書いた割に擁護派って感じでも無い中途半端なコメントでごめんよ。
多分曲アップするだろうな、と思ったけど
タイミング早すぎるんじゃない?というのも思ったし、
その炎上してるコメント欄に対する反応の記事を読んで
少し残念に思ったのも本音だったので正直に書いてしまった。
彼も茨城出身なので、きっと色々思う事はあると思うけれど。




こういう状況では、色んな人の「らしさ」が垣間見えるなと思った。




震災翌日、スーパーで水とかシリアルとか大量に山盛り買ってる若い夫婦の人がいた。
あの人達はどうしてるだろうか。
私の地元では水やライフラインの障害は無かったので、
その日以降は水が売り切れる状況はそれほど見かけなかったけど。
最近水道水からなんやかんややっているので、
どうなるんだろうと思って見ている。
うちには乳幼児は居ないし、
私に至っては中国産も平気で食べるヤツなので
今のところあんまり強く気にしてはいないけど
福島隣県なので結構色々ありそうだなと思っている…




とはいえ最初に水が!ってニュースになったのが東京だったのは意外だった。
関東各地でも色々出てきてるね。
栃木でも水から基準値以上の…とか、
野菜が出荷規制…とか、
色々出始まってますが。
この辺りは福島原発から100km以上150km未満地点なので何とも言えません。
海洋汚染問題も今になってやっと浮き上がってきた。
最初の頃調査中だと言ったきりだったけど、やはり避けられないか。




福島の南相馬市原発建設計画中だったというのも
震災から数日後にwiki見て知った。
それをツイッターでつぶやいたら福島の南相馬市民の方からリプライを貰ったり、
フォローして頂いたりして、色々複雑に思う。
いまでも南相馬市や周辺に残ってる人が居て、そこからの声が聞こえてくる。
報道されない茨城・千葉・栃木の被災地の人達の声も。
テレビで報道された死者数以上に
東北以外でも全壊・半壊戸数はどこもかなり多く、
報道だけしか見ない人も依然多いのは仕方ないけれど、
報道に無視されると何も届かない・知られないというのは本当に恐ろしい事だと思った。
だからこそドキュメンタリーと銘打つ映像ばかりを流したり、
それらの地域の被害はろくに流さず
野菜の放射性物質関連ニュースばかりしつこく流すテレビが嫌いになっていく。





話が前後するけどロンブーの淳が
「淳の休日」というプライベートでやってた企画で
支援物資集めて茨城経由岩手まで届けたというのを見て
淳相変わらず頭良いなと思った。
別に好きでもファンでもないが、
打算を含めても行動力が有る賢い人だと思う。
去年からその企画でustとツイッター使って色々やってたらしい。
スタッフとして参加してる人の「支援物資集めるよ!」というツイートを偶然見かけるまで全く知らなかった。
茨城経由も色んな情報集めて考えたんだろうしね。




芸能人の支援活動についても
偽善だ売名だなんだと言われたりしてるけど
透明性あるやり方で結果出してるなら
売名だの偽善だの関係ないんじゃないかと思った。
漫画家の赤松健が「規定の団体(赤十字とか)に寄付すれば寄付した側も税金控除が受けられるよ」というメリットを敢えて提示して寄付を勧めてたけど
ああいうのも、ちゃんと支援になるという結果があればそれで良いと思う。
善意を謳いつつ透明性がない疑わしいものも
実際存在するというのがまた問題なのだけどもね…
芸能界内でもそれに辟易してキレてる人もいるようで…
チャリティー活動に疑問や違和感を感じるのもそれはそれで、わかるし。




アジカンのゴッチが
「チャリティーは儲けが出る方法でなく、身銭でやることに意味があると思ってる。音楽活動は音楽活動として、自分の平常の活動としてやる。それで経済も回す。そういう方向でやるつもり」
という内容のツイートをしていてそれも納得した。
チャリティー活動を否定するわけではないし、
そこから生まれる支援もあるとは思う。
啓蒙も必要だと思ってる。
泉谷しげるが以前別の震災の為のチャリティーで売名乙と言われて
「そりゃー売名だろうなぁー。有名じゃ無きゃ金集めらんねーもんな!」
と答えたって話もあってそれもまた納得な気もする。
(っていうか泉谷しげるツイッターやってるのを最近知ってびっくりした)
でもわざわざ企画してそれで利益を出して一部は募金にあてますっていうのだったら
最初から企画にかかるコスト含めて全部募金に回したらいいじゃん、っていうのも有ると思うし。



でも音楽作る人はそれが平常の仕事であって、
それで生んだ利益を支援に回すのと
最初からチャリティーソング作ってそれで生まれた利益を支援に回すのと
どれくらい違うのかと言われたらそれもまた難しい話。
と、考え出すとまとまらない。




うだうだ考えつつ
nauのチャリティーコンピも買った。
チャリティーというより単純に聴きたかったからっていう方が大きいけど。
好きな曲たくさんあった。
Dさんの新曲も良かった。
超そーふぁっきんくーるな人達、はクレジットあったけど誰が誰だかわからなかった 笑



対価物があるチャリティーとしては、
データものをチャリティーに使うのは
CDとかよりはコストも手間も少し少なくて、良いかもしれないな、と思った。
別件だけど、待ち受けDLとかでもいいんじゃない?ってよそに提案してた人もいたなあ。




223さんが本当はこのコンピにSTAnのタイガーアイも収録したかったと言っていた。
『僕と君が正気を失わなければ 森羅万象は好転するように出来てる』
って歌詞が今やたらと響く。



西井さんが昔日記に書いていた、
「その感情は本当に君自身が感じた感情か?誰かに植え付けられたものなんじゃないか?」
という言葉、「感情」を例えば「考え」に置き換えてみても今しっくりくる。
報道やよく分からない情報・誰かの論説に惑わされたり
それらを無意識に鵜呑みにしてやしないかと
時々立ち止まってよく考える事が必要な気がしてる。
結構、西井さんの言葉をふと思い出すことが最近多い。
スタンbotが時々投下してた、
「まるで永遠に勝てないゲームをやっているようだ。しかし、だからといって、負けるわけにいかない」
という西井さんの言葉、
まさに今そんな感じだな、と思う。



あとJAPANISTAN今聴くとちょっとつらい。
戦争ではないが、
さあさあ 逃げだそうよ うんでもさあ どこに?
て言われると、ほんとにね、と思う。




最近随分日記書いてなかったせいかめちゃくちゃ長くなってしまった。
先月ライブに行った時の日記も書こうと思っていたら
書けないまま色々あって一ヶ月経ってしまった。
一ヶ月前のライブが、とても遠い日常のように今は思える。