Story Seller〈2〉 (新潮文庫)

Story Seller〈2〉 (新潮文庫)


7人の作家の短編集。


伊坂幸太郎の実験的短編が面白かった。
最初の数行で全体は完結してしまうはずなのに、最後の最後にうっかり驚かされた切り口が素敵だった。


米澤穂信の「リカーシブル−リブート」の中学生になったばかりの主人公とその親友、
佐藤友哉の「444のイッペン」の女子高生?探偵赤井、
本多孝好の「日曜日のヤドカリ」の大人びてるけどやっぱり幼女な弥生と
それぞれ女の子たちの会話や心情にほっこりしたり笑ったりする作品が多かった。
日曜日のヤドカリは充ち満ちてく猜疑心さえも微笑ましくて、よかった。


近藤史恵レミング」は「サクリファイス」という作品の外伝らしい。
それを踏まえて読めば、アシストとエースの関係性が妙に強調される内容も納得といえば納得かなー。
サクリファイス読んでないのでなんとも。


有川浩の「ヒトモドキ」は現実に存在して欲しくないけど確実にいるこの”ヒトモドキ”、の描写が凄まじくて恐ろしかった。
でも、実際に、いるのだ、こういうの。


沢木耕太郎の「マリーとメアリー」、唯一のノンフィクションというかエッセイ的な内容。
ひとつのカクテルについてあれこれ思いを巡らせ、
答えは出ないのだけど退屈に終わらないのがすごいと思う。